劇団Miss女子会 第三会公演 アンダンテ~歩くような速さで~を観て来ました [その他]
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以前、SKE48がラジオ局を舞台にしたシチュエーション・コメディドラマ「マジカルラジオ」って番組をやっていて、ひな壇バラエティなんかより全然面白くて大好きだったんだけど、2020年、そんなテイストの舞台を生で観れるとは...
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2020年2月19日~23日、Miss女子会第三会公演 アンダンテ~歩くような速さで~ を中野 ザ・ポケットで観劇して来ました。
今回は初めて「全通」と呼ばれる、全6公演すべてを観ました。
Miss女子会の舞台について書くのは3本目ですが、上演から少し時間が経ってしまったことと、あまり入れ込んで書くと、楽しかった記憶を自分の下手な文章で台無しにしてしまいそうなので(笑)、今回も感じた事をレポート風にまとめておくに留めます。
そこは人口わずか700人の島、巴島。
定時制高校に通う巴島の女子達は東京に強い憧れを持っていた・・・
誰よりも東京に憧れを持つヤンキー『月島楓』、彼女の目にニュースが飛び込む。
「東京オリンピックの開会式でブラスバンドを募集します!」一大決心をし、応募をする為にクラスメイトを誘う楓だが、一筋縄ではいかない曲者ばかり・・・
楓は東京に行くことができるのか・・・?
原案 伊東大樹
脚本 ゆうき
演出 笠原哲平
脚本 ゆうき
演出 笠原哲平
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今回は、普段舞台はちょっと...と敬遠する様な人でも取っ付き易くて、観易かったのではないでしょうか。
自分も三回目にして、もっとも気負わずに観ることができました。
小さな島が舞台のしっかりしたシチュエーションコメディで、登場人物のポンコツぶり、壊れっぷりも相まってひたすら笑えて、シリアスな場面や、思わせぶりな伏線も最後は必ず笑いで落とす徹底ぶり(笑)。
それでいて、ラストは感動させて、最後は圧巻の出演者全員による「カントリー・ロード」の生演奏!で幕を閉じるという、観終わった後とても気持ちの良い作品でした。
初日にスタッフの方とも話したのですが、演奏含め随所でいろいろなバージョンが使われる「カントリー・ロード」(僕の世代だと「故郷へ帰りたい」とも。主人公の月島とか同じ曲を使ってる「耳をすませば」とも関係してるのかな?)を選曲は絶妙でした。曲だけで来ますね。ちなみに、選曲したのはリーダーの神谷実玖さんとのことです。
正直、「カントリー・ロード」の生演奏は、たどたどしかったですよ。以前から楽器を経験していたメンバーも居たものの、練習期間は1ヶ月程度だったとか。
メンバーに訊くと別意見かもしれませんが、個人的にはこれでも良かったと考えてます。(映像作品だとまた違った方向になるかもしれませんが)
劇中では「楽器経験者が主力のブラバン」とはいえ、ここであまりにバシッとキマッた演奏をされると、逆にちょっと引いちゃうかもしれないなと。
演奏後の「まあ、最初はこんなもんか!」の台詞にも繋がりますしね。
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人数が増えたので、登場人物に添ってメンバーの印象を覚えていられるかな?なんて心配は全く不要。主人公月島楓を中心に、場面や流れ毎に上手く「チーム分け」されてたのです。この辺は脚本家さんの妙ですね。
(以下、役やチームごとに気付いたこと感じたことを記しておきます。グループ分けの基本は台本や配役に準じていますが、独自に分けたところもあります。文章のバランスの悪さは完全に私の力量不足で、演者さんに責任はありませんのでご了承を)
なお、今回も劇団外の活動の都合で岡崎ちなみさんは声のみ(ニュースアナウンス)の出演となりました。
【黒薔薇・メンバー】
蠍(伊戸奈 楓),孔雀(磯ヶ谷 典華),燕(上野 露葉),黒豹(奥塚 ちひろ),隼(照沼 サラ)
島の暴走族「黒薔薇」。現在は総長の森田智美、副総長の横澤千紗のもと「活動」しているが、その内容にはイマイチ納得して無い様子。
新入りなので、元総長・月島楓の現役時代は知らない。
ミスジョの候補生5人で編成されたアンサンブル。でも、レギュラーメンバーに劣らず十分存在感のあるチームになっていたと思います。
残念ながら照沼サラさんは体調不良で直前に降板してしまいましたが、気持ちは一緒というメンバーの想いは伝わりましたよ。
(サラさんが劇中の曲を作ったり、私物の楽器!が使われていたとのことには驚きました。サラさんが音楽活動をやっていたことだけは聞いていて、それだけに降板は残念だったでしょう)
手作りに近い舞台なので、設営・撤収などに加え、毎公演事務所のマネージャーさん達と共に、メンバーも交代で受付などをやってます。
特に候補生はスタッフとしても活躍していて、もぎりのちひろさんと特典渡しの露葉さんは連日入場時に顔を合わせたので、後半は今日も来ました的に挨拶できましたし、客席案内の典華さんも毎回迎えてくれて、特にS席だった日はお世話になりました(あと、ふみぱんさんは、ずっと気になっていた前作「男尊ジョリーの時の初日の手伝い」だったことを直接本人に確認できて個人的にスッキリしました)。
楓さんは、僕が最終日終演後、閉館時間が迫る中しょっぴぃのチェキ列が長かったので諦めようとしたら「今日のしょっぴぃは今日しか撮れませんよっ!ほら!(劇中で使った)ギターも出てるっ!あの列の長さならまだだいじょうぶ!!」と強引に勧められ、ギリギリ時間内で撮る事ができました。その際「伊戸奈楓といいます!」とアピールも忘れずにいて、面白い娘だなと。
四人から「演技のこと書けよ!」と叱られそうだけど、こういうことも重要だと思うんですよ。Miss女子会への加入が発表されてからずっとあやふやだった(←これも失礼な話ですが)みんなの名前と顔を今回はっきり覚えましたから。
皆作品上も欠かすことの出来ない役回りでしたしね。
【不協和音】
堀田麻美子(宮瀬 いと),西野美咲(碧乃 美月),園部麻紀(高島 ひな),高木理沙(なりみ)
ブラスバンドをやらないか?と持ちかけた楓を無視するクラスメイト達の中から、最初に反応した3人組 麻美子,美咲,麻紀。
いかにもデキル感じで上から目線で来るが、実は全員楽器は出来ないという。
ポンコツなやりとりに業を煮やして自分は楽器ができると割り込んだ理沙、待望の楽器経験者と喜ぶ楓に「で、楽器は何?」と訊かれ、高木は「ウクレレ」と笑顔で答える...
後に楽器ができない3人も楽器を持ち寄るが、麻美子=トライアングル,美咲=カスタネット,麻紀=マラカスという、どうみてもアレな感じ。
理沙のウクレレを加えて練習を始めるがとんでもない地獄絵図に...
別な話なら、この4人でまた違った学園モノをつくれそうなのですが、今回はその彼女らがひたすらボケまくるというチーム。
まとめて「使えない4人組」と呼ばれ、挙句の果て楓からは「不協和音」呼ばわり。
麻紀役 ひなさんは新メンバー。本当に失礼ながら彼女についてもあまり情報収集しないまま、今回の舞台を観に行ったのですが、きっちり覚えましたよ
卒業間近の高校生だというのも舞台中に知りました。舞台は初めてだそうで、まだ周りの先輩達に気圧されているのか、ちょっと硬いというか、すこしおとなしいかなとも感じました(なので、不協和音の中では比較的まともに見える)。でも、これはまだ仕方無いのかなとも思います。なにより他のメンバーの個性や演技が強烈すぎるのです。だからこそ、その中で自分を立たせるためにはどうすれば良いか、多分もっと考えるでしょう。となると次の舞台が楽しみになります。
麻美子役 いとさんは、今回は出番が少ないかなとも思いましたが、でもあの存在感。
上から目線でブラバンに参加してくる時の迫力と、楽器が出来ないと分かってからの素振りなどはギャップ萌えの典型みたいな笑わせ方。いとさんのドヤ顔は破壊力抜群だったし、あのビジュアルでトライアングル持ってるだけでちょっと可笑しかったです。
美咲役 美月さんには、今までと違う「新しい一面を見れた」との声も聞きました。確かに役柄的にはその通りですが、それ以上に個人的には「彼女にぴったりの役」が来た!とニヤけてしまって。
本人の性格と同じ、という意味ではなくて、美咲みたいな女子を演じたら期待通りという意味です。脚本家さんも「美月しかいない」と言っていたそうで、可愛い顔や声でどうかしている、ともするとちょっと毒のある様な役も似合うと思ってたんです。
変顔や狂った様なカスタネット叩きは、名前は知られてなくても「カスタネットの娘ヤバイ」「ピンクのカーディガンの娘ヤバイ」と認知されたみたいで嬉しい限り(?)。
一番の見所はやはり「ウン、タン、ウン、タンタン」でしょう、僕も好きな場面です。あとは、もっと無邪気な毒を振り撒いてくれても良かったのになあと、欲も出たりして。僕はずっと彼女を推してきたので、期待も大きいんです。
高木役 なりみさん。なぜ理沙ではなく苗字で書いたかというと、この「高木」自体がネタになっていて、影が薄いあまりだれも名前を知らないという流れがあったんです。(ウクレレを買って出た後の高木さんは影が薄いようには見えませんが...)
なりみさんは、安心して観ていられるメンバーのひとりです。
今回は昨秋に観た「デビルマン」とは180度違う演技の発声といい、間といい、表情といい、明るくハキハキとした演技は、先生役にぴったり...って、定時制高校なので先生ではなく生徒の一人ですが、不協和音を率いて登場する姿は生徒を引率する先生そのもの。能天気なウクレレの曲がまだ頭に残ってます。
【バンド三人組】
田辺麻紀(北 柚涼),狭間由香里(流矢 聖子),玉井滋(野口 紗世子)
楓の誘いに、冷たく去って言った三人組。
実は過去にスリーピースバンドをやっていた経験があり、ブラスバンドに参加したいのだが素直に言い出せない。
あの手この手でもう一度誘ってもらおうと奮闘するが、常にどこかおかしな方向へ...
解散したバンドをやっていた三人組。ドラムの麻紀、ギター&ボーカルの由香里、キーボードの滋。
今回の舞台で、僕が最も好きなのがこの三人です。とにかく面白い!
それだけでなく、劇中で短いながらもバンドで演奏を披露しています。
「音楽に裏切られた」という滋にしても音楽は続けたかったし、本人達は自分たちの音楽、特に歌詞には自信があったみたいだけど「2アワー」「傷つけられた友情」「シルバーオブイヤー」では、市井南じゃなくても「時代はきません!」って言いたくなります。
ブラスバンドに加わりたいものの、プライドが邪魔してか素直に言い出せないものだから、あの手この手で誘ってもらおうしますが、ことごとくおかしな方向に向かってしまい、空回りするばかり。
挙句にシレッと練習に紛れ込んで「いつ入ったんだ?」という周りを屁理屈で誤魔化して煙に巻こうとしますが、最終的には素直に「入れてください!」と頭を下げます。
麻紀役 柚涼(ゆすず)さんも、新メンバーとしてMiss女の舞台は初めてで、僕にとっても初めましてでした。Miss女子会加入前の活動歴は長いみたいで、堂々と演じていて、ドラムも披露しています。
蹴り飛ばされたり、引き剥がされたりした後のあのポーズ―おもいっきり脚開いて「んあぁ??」みたいな表情するヤツ。テキストだけでは説明できない(笑)―がタダモノでは無い感じ。
聖子さんと紗世子さんは普段コミカルなイメージは無いけど、柚涼さんだけは初見で「面白い人」のイメージがついてたかも。
由香里役 聖子(しょうこ)さんは、三作目で初めてストレートに「しょっぴぃ感」のある役に見えました。
バンドの演奏シーンではギターやボーカルも披露し、音楽好きな彼女は楽しかったんじゃないでしょうか、演技とも本人のパーソナリティともつかない自然な見せ方で、その上でこんな事を言うのも何ですが、時々「ガラの悪いしょっぴぃ(由香里)」が出るのが個人的に楽しくてしょうがなかったです。
滋役 紗世子さんは、見た目はクール系。でも、今作では声を張って叫ぶ台詞も多く、普段とは違った面を出して頑張ってました。
だからこそ僕なんかは面白かったのですが、普段を知らない(と思われる)人達からも台詞で笑いが起きてましたよね(その代表が「よいしょっと」)。
しぐさや表情で笑わせるのと違って、台詞で笑わせるのって難しいと思うんですよ。間とか言い方とか。それで笑いが起きたんだから自信持っても良い思うのです。
勿論、表情で笑わせる「その顔やめなさい。さよっこりー(笑)」てのも、ふんだんにありましたけどね。
それにしてもこの三人、長々と大声で、しかも意味の無い(笑)掛け合いをすること多かったですね。
「ふんっ!ふんっ!ふんーっ!」とか(この面白味はテキストじゃ読み取れない)、トリオでの面白おかしい場面ばかりの中、少し違う目線で好きな台詞があります。
それは、『みんなの練習場所を探し出して入れて欲しいとお願いしに来たが、皆が団結しているのを目の当たりにして焦った三人が言い出せないまま、ツチノコだスマホの機種変だとまたもや明後日の方向に脱線した挙句、意を決してお願いしようとしたものの、みんな帰ってしまっていた』という場面。
そこで三人の一言「...おらぬ」
僕は、この「おらぬ」が大好きで、ずっとタイミングを逸し続けて素直に言い出せない三人組みの心情を思うと切ないし愛おしいんですよね(この場面のライティングも好きなんです)。
ちなみに劇中では言及されませんが、バンドの名前は”Shout my heart”といったらしいです。
【総長】
森田智美(北條 愛実)
暴走族・黒薔薇の現総長。しかし本当の彼女はクラリネットを習っている相当なお嬢様。楓の誘いに心揺さぶられブラバンに参加することに。
今回、ある意味でズルイのが愛実さん。最初はスカジャンのヤンキーファッションで黒薔薇を率い、ブラバンに誘われた後は白のドレスにクラリネットを持って登場。初日は登場しただけで笑いが起きるほど。
クラリネットは経験者だそうで、随所でその音色を披露しています。
横澤とのシーン
「威風堂々」、「栄冠は君に輝く」
月島楓とのシーン
「ドラクエ」、「鉄腕アトム」、「ルパン三世のテーマ」
(北條愛実さんのInstagramより引用)
笑ったのはブラバンが初めて集まって練習する場面。皆がバラバラに音を出す中、ドレス姿で椅子に片足乗せてX(X JAPAN)の「紅」をクラリネットで荒々しく吹きまくる姿が秀逸!
楓の場面で演奏する曲を、最初は6公演全部で変えようとしたらしいのですが、安定性を優先して3曲にして、上演時にはその日の気分で回して使うことになったそうです。
愛実さんぐらいの実力派だからこそ、(経験者とはいえ)クラリネットを演出やオチに織り込んで演奏するという、演技+αを要求されたのかなと想像します。
余談ですが、智美の場面で一度ハプニングがありました。副総長の千紗が、智美の家に呼ばれて部屋で待つシーン。ここですぐ智美がドレス姿で登場するはずのところ、21日の公演では、なかなか出てきません。
千紗役の渚さんが「鹿の剥製がある...」とか「こっちには虎の剥製が...」と台本に無いアドリブで繋ぐ中、ようやく登場した愛実さんも、通常「待たせたな」で登場するところを、(正確には覚えてないのですが)「すまん、すいぶん待たせたな」みたいな、これもアドリブで入ってきて客席大爆笑。
後でファンの方から聞いたところによると、愛実さんの衣装のチャックが引っかかってしまって出られなったそうです。
役者さんからしたら冷や汗もので本来は不本意でしょうが、これも生の舞台ならではの醍醐味です。
【謎のサックス美女】
寺井未央(木村 佳奈枝)
ひとり波音をバックに登場する未央。サックスを吹こうとするが吹けない。なにか深刻な理由がありそうなのだが...
最初の登場シーンから「コメディリリーフ」ならぬ「シリアスリリーフ」かと思われた未央。彼女がサックスをどうしても吹けない理由は「リードが臭いから」。最大のオチで、逆方向にシリアスな状況でした(笑)。
この問題は、強引にブラバンに誘いに来た楓に「リードは替えることが出来る!」「リードが島に無ければAmazonで注文できる!(ただし、離島なので送料が高い!)」と抱きしめられ、解決します。
未央は、佳奈枝さんだからこそ演じられたという気がします。彼女の魅力に依存する部分も大きく、楓にリードの問題を「救われて」サックスを吹ける様になった後半は、前半のシリアスな雰囲気から一転、ニヤニヤ・フニャフニャした妙なキャラクターに変わるのが可笑しかったです。「男尊ジョリー」に続いて「怪演」感すら漂わす佳奈枝さんでした。
【因縁の二人】
横澤千紗(明石 渚),市井南(神谷 実玖)
千紗は暴走族・黒薔薇の副総長。総長には忠実だが、どことなくトボケた感じ。ブラバン参加で智美が抜けた後、メンバーも辞めてしまい、一人残った千紗はブラバンを潰そうと決意する。
一方、南は楓のクラスメイト。前の学校では吹奏楽部に所属していて本当はブラスバンドに参加したいが、学校を辞めた原因から躊躇する。
この二人、元々は同じ学校で、南の嫉妬から千紗のトランペットを壊してしまい、それが原因で大喧嘩をして二人とも退学になっていた。
南はトランペットを壊したのは自分だと思っていたが、実際は「自分に対して劣等感を抱いている南が傷つくのが耐えられなかった、なので音楽を捨てようと自分で壊した」のだった。
その理由はどうなんだ?という真実だけど、とにかく最終的には仲直りします。
千紗を演じる渚さんも新メンバーで、Miss女子会での舞台を観るのは初めて。
皆が練習しているところにひとり殴りこんだ時の、ストロボライトのスローモーションシーンも見所なのですが、序盤の智美が新入り達に楓の「悪行」を話しているときに、いちいちリアクションする姿も面白かったです。台詞が絶妙なイントネーションで、こればかりは台本から読み取れないので生で観て無いと分かりません。
実は千紗は黒薔薇の「黒豹」(奥塚ちひろさん)の姉でした、のくだりも笑いが起きてましたね。
あのツインテールのセーラームーンみたいな髪型とポーズは誰かが意識したんだろうか?
バンド三人組みとのやりとりから、まともな感じがした南でも、千紗との関係の真実を知って和解した後、ちょいちょい余計な一言(「これより良いやつ買ったから」とか「いい音出ると思う。私の方が値段高いし」)で、やっぱりあなたも...ってなります(笑)。
演じる実玖さんは、実力派メンバーのひとりで、いつも安心して観ていられます。
本人はシリアスな演技の方が得意で、コメディを上手くやれるか不安がっていたみたいですが、緩急の付け方は流石で十分いけてると思いましたよ。僕が好きなのは、バンド三人組が創った「2アワー」の内容を聴いた後の「ん?」という表情から「時代は来ません!!」までの流れ。普段シリアスな演技をする人がするから面白くなるんじゃないかと。
そして、その場面に行く前の、三人組の(どうしようもない)会話を、なんとなく立ち聞きしている南・実玖さんの演技も好きなんです。
(後半になるにつれて、「ん?」の時の間を十分取る様になって面白さが倍増した気がしてるんです...違ってたらスミマセン)。
ところで、さんざんトランペットで揉めた南は、ラストでは楽器をホルンに変えてきて千紗と一悶着があります。劇中では「トランペットダサいから」みたいに言って笑いにしてますが、実際には演奏の為に調整したそうで、各メンバーの楽器の割り振りって結構大変だったみたいですね。
【常識人の妹】
月島弥生(みらい)
楓の妹。制服姿で登場。定時制高校ではない学校に通っている。楓に「東京オリンピックの開会式でのブラスバンドを募集している」ときっかけを持ってくる張本人。
登場人物の中で、一番「常識人」にみえるのが弥生です。
もっとも、騒動のきっかけを作ったのも弥生で、応募期限を良く確認しないまま勧めたのも弥生ですが...
もう弥生といえば、未央のリードの臭いを嗅がされて痙攣しながら失神する場面。毎回爆笑で、今回の舞台のポイントの一つになってました。ある回など、僕の後方に座っていた女性が爆笑した挙句「ヤバイ!」と口走るほど(笑)
冒頭での、楓とのやりとり(カモンカモンのしぐさなど)なんかも序盤からコメディであること明示してて良い感じなのですが、僕は密かに好きなシーンがあって、それはテレビのニュースを観て楓と共に呆然とするところ。
演じるみらいさんの表情が最高で、あそこでは誰も笑わなくて静かになってしまうので、僕は毎回笑いを堪えるのがたいへんでした
演じるみらいさんは、1作目、2作目に続いて今回も印象に残る役。元々上手いし、その上今回はこれまでと違って等身大の役なので、伸び伸びと演っている感じもしましたね。
現役女子高生なので稽古期間と重なった現実の学校行事も大変だった様で、よく頑張ってました。
【主人公・楓】
月島楓(伊藤 雨音)
本作の主人公。元暴走族・黒薔薇のリーダーで、今は定時制高校に通う。窮屈な小さな島での生活、東京のへの憧れ しかし、弥生の持ってきた大ニュースに触発され、自分を変えるためにも動き出す。
楓は、まっすぐに突っ走るものだから、行動が可笑しく見えることもあるけど、主要人物の中では弥生に次いで「まとも」な人に思えます。もっとも不協和音やバンド三人組が「個性的過ぎて」相対的にまともに見えるのかもしれませんが。あと、Amazonへの絶大な信頼が玉に瑕かも(笑)
Miss女子会の舞台公演で、今回初めて「主演」が設定されました。その記念すべき初代が伊藤雨音さん。
発表された時は、驚きよりは納得でした。前作「男尊ジョリー」での演技も大好きでしたが、今回もそれとはまた違った、不器用な元ヤンを自然に演じていて好感持てました。
「お、おう...」「誰だテメェ?!」「震えるぜぇぇ!」とか、雨音さんの楓は、なんとなくキルラキルの纏流子を連想させるところもあって「実写似合うんじゃないの?」と思ったくらい。
泣かせるシーンもありました。ひとつは大団円のラスト。これはもう言わずもがなでしょう。
もうひとつ僕が好きなのは、ニュースを見てとっくに締め切りは過ぎていた事を知った後、「YOSHIKIだー!(by 弥生)」とひと暴れした後の場面での、楓の台詞。
「昔からこれなんだよ!私が何かしようと努力すれば必ず何かが邪魔して上手くいかない!」
自分を変えようと頑張ったのに、またダメなのかよ!という楓の心情が迫真の演技で伝わって来て毎回ウルッとなるポイントでした。
これは文字で読んだだけではダメで、雨音さんの演技が載ることで「来る」ので、観ていないと伝わり難いかもしれません。
最終日など、もう6回目だから大丈夫...のハズでしたが、この日は上手最前列で見ていたものだから、雨音さんとこのシーンの相手のみらいさんがボロボロ涙をこぼしているのを目の当たりにしてしまい、最終日に一番涙がこぼれるという事態になってしまいました
僕は雨音さんに対して「男尊ジョリー」も、昨年秋に外部で出演した「デビルマン」でも良かったという評価。これは彼女の演技にハマッてるって事なのか?
東京に行けなかったけど、仲間ができた。
「変われるかもしれない...ゆっくりだけど直実に」。アンダンテ~歩くような速さで~のタイトルどおり、ゆっくり一歩ずつ歩んでゆこう、との楓の想いで幕を閉じます。
とにかく今回は、Miss女子会らしい、Miss女子会ならではの作品だったと思います。
「ミスジョ」を知ってもらうには最適な気もしたので、6公演しかなかったのが勿体無いぐらい。
冒頭書いたとおり、僕は6公演全部観るという自分にとっては「暴挙」に出ましたが、その価値は十分にありました。
二日目からは、単に「チケット買ったから観に行く」ではなく単純に「面白いのでまた観に行く」気持ちになってましたから。
正直な事を言うと、新メンバー加入や候補生って形はどうなんだろう?と思っていたんです。
「新メンバーって早いのでは?(他の劇団でも同様の制度がある所もあるにせよ)候補生ってアイドルみたいだなあ」とか。
でも、こちらが考えを変えるに至りました。僕の小さな不安や疑念などを上回るものを観せてくれましたから。
ただ、大きくなった以上、これからに期待が高まって行くので、それは試練でもあります。次の7月も、今回以上のものにしなければならないでしょう。
それに答えてくれると信じてますけどね。
2アワー
友達にプレゼント買って、店員のミスで値札貼られてて、綺麗に剥がすのに2時間かかったという曲
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傷つけられた友情
友達にDVD貸して、盤面が傷ついて帰ってきたから友達をボコボコにしたという曲
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シルバーオブイヤー
銀歯が取れてから一年経っちゃったという曲
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2020-03-06 00:56
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